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2023.04.18
家族会 ~元当事者の声~
みなさん、こんにちは。
HATCHいわぬまの佐藤です。
新年度になりました。
4月は何かと忙しい時期です。
進級や進学、就職、昇進、転勤、転職などなど、大きい小さいに関わらず、環境の変化があるため、時間的にも気持ち的にもそわそわしてしまいます😅
佐藤は毎年そうなるので、これは毎年の恒例行事みたいなものだなと数年前から思うようになり、少し楽になりました笑
今年度もマイペースに自分らしくいきたいと思います。
さて本日は、先日開催した家族会についてご報告したいと思います。
今回の家族会のテーマは『元当事者の声』。
ゲストとして来ていただいたのは、20年近くひきこもり状態で、約2年前に再就職された現在60歳のAさんです。
Aさんは大学卒業後ある小売業の会社に正社員として入社をされ、個人宅などに商品を配送する業務に10数年携わっていました。
その後人事異動で店舗スタッフとしてスーパーで勤務するようになってから、少しずつ心身に変化が起こるようになります。
うつ病を発症したことで仕事ができる状態でなくなり、その後会社を退職されます。
精神状態もあまり良くなかったことと親御さんの介護が重なり、働けなくなったAさん。
その後18年間ほとんど社会との接点なく過ごされてきました。
18年もの間、家族や前職の上司の方などの特定の人とのやり取りはあったものの、外に出ること人の目に触れることが怖くて、医師以外に相談することすらできなかったといいます。
また体調が少し良くなっても「こんなブランクのある人を会社は雇ってはくれないだろう」という想いから、前に進むことが出来なかったとのことです。
そんなAさんの転機となったのは、
ご両親が他界して数年経ち、生活保護を考え始めた時、社会福祉協議会にどうしたら保護を受けられるのかを相談に行ったことがキッカケでした。
その時の担当者は、「生活保護を受ける前に働くことを考えてみては」とハローワークへの相談を提案。
岩沼の社会福祉協議会では、月に2回ハローワークの方をお呼びして、相談会を行っています。
一瞬迷ったAさんでしたが、
「ここで『考えます』と持ち帰ってしまうと、また動けなくなってしまう」と思い、その場で予約し、ハローワークの巡回相談に参加することに。
Aさんはハローワークの担当者からいくつかの仕事を紹介され、
そしてその中でこれだったらできるかもしれないと思った会社がありました。
担当者はAさんに「今連絡して面接の日程を決めますか」と尋ねます。
Aさんはまた迷いましたが、「ここで日程を決めなければまた動けなくなるかもしれない」と思い、電話をかけることに。
そして、あれよあれよと面接の日程が決まってしまいました。
次に担当者は「履歴書も今一緒に書いてみませんか」と尋ねます。
Aさんにとって、特にネックになっていたのが、履歴書でした。
18年間働いていないことを書くことに抵抗があったそうです。
担当者はAさんに「素直に書きましょう」とアドバイス。
病状が悪く働けなかったことなどを正直に履歴書に記載しました。
そしてとんとん拍子に事は進みます。
面接ではひきこもりのことを聞かれることはなく、この時応募した会社に現在もお勤めをされています。 今ではフルタイムで働くことも進められているそうです。
ハローワークの担当者からは、「私が担当した方でブランク期間が一番長い方です」と言われたそうです。
Aさんは、
「今こうしていられるのは、周りの人のおかげ。一人ではここまでできなかった。誰かに相談することで、変わります」
とおっしゃっていました。
Aさんのお話から
いつからでもどこからでもやり直しはできるということ、そして誰かに助けを求め相談することの大切さを改めて感じることができました。
参加者のご家族のみなさんからは、
Aさんの話に「励まされた」「勇気づけられた」との声が多数上がり、
参加者の表情が、来た時よりも明るくなっていたのがとても印象的でした。
あるご本人からも、「家族会から帰ってきた母の表情がいつもよりも明るくて嬉しいです。」との声が寄せられました。
やはり家族の元気は本人の元気に繋がりますね。
Aさん、貴重なお話ありがとうございました。
私自身も大変勉強になりました。
さて、今年度の家族会も
今回のようにゲストをお呼びしたり、当事者同士でお話をしたり、様々な内容を考えています。
月1回開催しているので、興味のある方は是非お問合わせください。
また案内も出します。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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