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2022.03.02
2月家族会「元当事者の声」
みなさん、こんにちは。
HATCHいわぬまの佐藤です。
3月に入り、少しずつ暖かくなってきました。
先日、フリースペース内で「春になったら何したい?」という話をした際、「BBQをしたい」という声が出てきました。
私としても、公園に行ったり、自然を見に行ったり、近くを散歩したり、外でする何かイベントをしたいなと思っていたので、もう少し暖かくなったらやりたいと思います。
春ってワクワクする季節ですね。待ち遠しい限りです。
さて本日は、
先日開催した「家族会」の様子についてご報告させていただきたいと思います。
今まで何度か家族会を予定してきたのですが、なかなか参加者が集まらなかったり、集まっても当日キャンセルになったりで、参加者がゼロということも多々ありました。
しかし今回は今までで一番多い3名の方にご参加いただきました。
家族会とは、同じような境遇で悩まれているご家族同士が集まり、お互いの体験談や現在のお悩み、不安、心配事などを共有し、今後どのように当事者の子どもに関わっていくかを一緒に考えていく会です。
また不登校やひきこもりの回復には、身近で支えるご家族が元気で明るいエネルギーが溜まっていることが大事だと言われています。
子どもが不登校だったりひきこもりだったりすると、やはりご家族は悩み辛い想いになります。
その気持ちを誰かに、それも似たような境遇の方に話すことで、「自分だけじゃないんだ」「この人も頑張っているから私も、、、」など前向きになれることもあります。
「来た時よりも少しでも元気になって帰ってもらいたい」、そんな想いで私たちも家族会を開催しています。
そして今回の家族会のテーマは「元当事者の声」ということで、元ひきこもりのお子さんをお持ちのAさんに来ていただき、ご自身の経験をお話いただきました。
Aさんのお子さんも中学生の頃から不登校で、その後ひきこもりになり、長い間悩んできたとのことです。
はじめはとても苦しかったし悩んだが、様々な研修会や家族会に参加し、親が明るくいることが子どもの回復につながるということを学んだそうです。
そして活動の幅を外へと広げ、「自分が明るく楽しそうにしていた。そのことで子どもの声のトーンが変わり、表情も明るくなった。外出することに文句を言わなくなった。」というエピソードを教えてくださいました。
Aさんは、「親が家庭で元気に楽しそうにしていることで子どもも元気になる」というメッセージを何度も伝えてくれました。
またAさんは、お子さんに対して口出ししたくなる時や怒りたくなる時も何度もあったが、その度に心の中で「順調、順調。修行、修行」何度も唱えていたそうです。
「そうすると子どもへの声掛けを最小限にできる。そして家が安心してホッとできる場所であることを子どもに示すようにしていた」とのこと。
その後、参加者のお母さんたちからも現状を共有頂きました。
あるお母さんから、「子どもが起きてきたら、食事を温めて出すようにしている。」というエピソードが出た際、
Aさんは「それはお母さんやりすぎね。お腹すいたら自分であたためるから、ほっといたらいいのよ」と、、
また別のお母さんから、「口を聞いてもらえない。」という状況に対して、「順調です。お子さんは休みたいんですよ。」、、、
また別のお母さんからは「暴れて警察を呼んだことがある。」という話には、
「お子さんはとても真面目でいい子なんですよね。だからどう気持ちを出していいか分からず、ほっといてほしくて暴れたんですよ。」などなど、、、
Aさんの言葉は経験者だからこそ、核心を付くような説得力のあるものばかりでした。
Aさんの口調がとても穏やかで包み込むような優しさがあるため、耳が痛くなるような言葉もすんなり聞けてしまうのです。
そのため、笑い声と笑顔があふれる家族会となりました。
はじめは緊張気味だったお母さんたちでしたが、最終的にはすっきりした晴れやかな表情になっていたように思います。
あるお母さんは、Aさんが「いいお子さんですね」と言った際に、「そうなんです。うちの子、とてもいい子なんです」と今までにないくらい明るい声と表情を見せてくれました。
もしかしたら、その気持ちはほんの一瞬で、また自宅でお子さんと顔を合わせたら、暗い気持ちになるのかもしれません。
しかし、たとえ一瞬でも明るい気持ちになり、自身の感情と向き合う機会にこの家族会がなっていたら、嬉しく思います。
来月は3/24(木)13時半から開催いたします。
またみなさんに報告していきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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